盆の始まりについてご説明します。
お盆は「地獄の釜の蓋が開きご先祖様の霊が帰ってくる日」と言われており、仏教行事としての位置付けにありますが、もともとは仏教の教えではなく、仏教が伝わる以前に日本で古くから存在していた古神道で、初春と初秋の満月の日にご先祖様が地上へ戻ってくるのを迎え入れもてなす行事が行われていたものが、のちに「お正月」と「お盆」へと変化し、風習として残ったと言われています。
なぜ仏教と結びついたかというと、「お盆」という呼び方は盂蘭盆(うらぼんえ)の音写語と言われているのですが、この盂蘭盆会はサンスクリット語で「逆さ吊り」を意味し、地獄のような苦しみにあっている人を救うための法要を行うことを指します。
古来からあった先祖供養と、この盂蘭盆会の考え方が結びついたものが現在の「お盆」であると言われているのです。
宗派によって異なるお供え
もとが仏教の考えではなかったこともあり、お盆は宗派によってお供えするものが異なります。
浄土真宗の場合だと、仏壇の前に小さな机を出しその上にマコモのござを敷きます。精霊棚を設置し「花」、「季節の野菜」、「くだもの」、「お菓子」をお供えします。
真言宗の場合は、「素麺」、「野菜の煮物」、「くだもの」、「お菓子」、「お茶」といった精進料理をお箸を添え、食べられる状態で仏壇の前にお供えします。
ナスやキュウリで作る精霊馬や盆提灯を飾る宗派もあるので、家の宗派を確認してお供えを準備しなくてはいけません。
お盆はいつから?
お盆の期間は8月の13日から16日までの4日間です。
お盆期間の最初の13日を「盆の入り」や「迎え盆」といい、お盆が終わる16日を「盆明け」や「送り盆」と言います。
お盆の法要や供養は中日の14日・15日に行われるのが一般的で、親族が集まってお墓参りに行く風習があります。
企業の夏休みは8月のお盆を中心に取ることが多いですが、これもお正月とお盆時期が長期シーズンだった昔ながらの風習の名残のようです。
盆明けはどの企業も忙しいので、お盆明けの挨拶には残暑見舞いを出しておくのが良いでしょう。
ただし、残暑見舞いは8月23日までに出すのがマナーなので日程には気をつけてくださいね。